闇、闇、闇。
前も後ろも、右も左もわからない、真っ暗な闇。
何度、この場所に来ただろうか。
何度、あの声を聞いたのだろうか。
私は、私の支えをすべて失った。
信じる者も。愛する者も。何もかもを。
闇が私を包み込む。
泣いている私を包み込む。
光なんて、どこにもなかった。
心にぽっかりと穴があいてしまったような感覚。
私を満たす空虚。
今が夢か現実か、それすらも認識できない。
だけど、ひとつだけ確かなことがあった。
彼は死んだ――私を置いて。
彼女は殺された――私が信じたものに。
もう何をすればいいのか分からない。
もう何を恨めばいいか分からない。
――そんな、私に、囁くナニカ。
『叶えまショウ、アナたの願いヲ、願望ヲ』
――それは、私に……
『チからを、与えまショウ……アなたの願いヲ、叶エル為に』
――光を見せた。
答えるのに時間なんて要らなかった。
そして私は、闇に堕ちた。
後悔はない。
これは自分の選んだ道。
もう一度、彼と彼女のもとへ……
そう、願った。
その日、ひとりの天使が、真っ暗な闇に堕ちた。